製造・製法へのこだわり
あらゆるニーズに応える技術力。
荒茶製造にとって「蒸し(蒸熱)」は、お茶の性格を決める一番大事な工程です。
いくら良い生葉であっても、この工程がうまく行かなければ、良いお茶にはなりません。茶専門店や食品加工、業務用等、業態により求められる製品は多岐に渡ります。創業以来培われた高い技術で、熟練の茶師が製法から製品まで、様々なお客様のご要望にお応えします。
製造工程と設備
お茶の製造工程は、「荒茶(一次加工)」と「仕上げ(二次加工)」の2つに分けられます。通常、生産農家が荒茶を作り、それを加工業者が仕入れて仕上げ加工を施します。美緑園では、荒茶の製造・販売を行なっています。
製造工程表
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- 場所・工程…集荷場
- 施設機材…計量器
- 特徴
収穫された生葉をトラックに載せたまま計量することができます。
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- 場所・工程…保管
- 施設機材…コンテナ
- 特徴
計量された生葉を一時的に保管します。風を送り込み、茶温を下げることによって、生葉の劣化を防ぎます。
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- 場所・工程…蒸熱
- 施設機材…網胴回転攪拌式蒸熱機
- 特徴
葉を攪拌しながら蒸気をあてます。当社では蒸し加減を調整しやすい網胴回転式を採用しています。
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- 場所・工程…粗揉
- 施設機材…粗揉機
- 特徴
蒸した葉を熱風の中で攪拌しながら揉み、水分を均一に飛ばします。
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- 場所・工程…揉捻
- 施設機材…揉捻機
- 特徴
茎は葉に比べて乾燥しにくいので、揉捻することにより、水分を揉み出すようにして茶葉全体の水分を均一にします。
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- 場所・工程…中揉
- 施設機材…中揉機
- 特徴
粗揉と同じく葉を揉みながら乾かし、葉を撚って細くする大切な工程です。葉を握って離すと自然にほどける程度まで乾燥させます。
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- 場所・工程…精揉
- 施設機材…精揉機
- 特徴
さらに乾燥させながら揉み、形状を整えます。
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- 場所・工程…乾燥
- 施設機材…乾燥機
- 特徴
葉を乾燥機内に広げて熱風をあて、乾燥させます。荒茶では、水分含有量は5%くらいにとどめます。
深蒸し製法
深蒸し製法とは、深蒸し煎茶を作るための製法で、お茶の製造工程の第一歩である蒸熱を長くしたものです。普通煎茶の標準的な蒸熱の時間は30~40秒ですが、深蒸し煎茶はその2~3倍ほど長く、60~120秒間蒸して作ります。
牧之原台地で生産される茶葉は、葉肉が厚いものが多いため、葉や茎の奥までしっかりと蒸す「芯蒸し」と呼ばれる技術が、お茶の味を決める重要な鍵となります。
その日の気温や湿度、生葉の熟度に合わせて蒸熱時間を細かく設定することで、お茶の「旨み」や「コク」を最大限に引き出し、渋み・苦みを抑え「まろやかな味」を作ることができるのです。
長く蒸すので、製造中に葉が細かくなりやすいため、細かい茶葉が多くなりますが、浸出液は濃い緑色になり、甘みのあるお茶として広く親しまれています。
普通蒸し製法
普通蒸し製法とは、普通煎茶を作るための製法で、深蒸し煎茶より蒸熱の時間が短く、一般的に蒸熱の時間は30~40秒です。深蒸し煎茶と同じように、葉を何段階にも分けて揉みつつ、乾燥させながら、針状に形を整えて製造するお茶のことを指します。
浸出液は金色透明で、香り高く、旨み・渋みが調和したお茶です。
美緑園は深蒸し製法を主に製茶していますが、お客様のご要望に合わせ、普通蒸し製法にも積極的に取り組んでいます。
年間の生産・製造量
美緑園では、全茶期で荒茶の製造を行なっています。
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- 茶期…一番茶
- 摘採期間…4~5月
- 生葉/生産量
やぶきた/75.5t
つゆひかり/1288kg - 荒茶/製造量
やぶきた/12.8t
つゆひかり/200kg - 荒茶の主な用途や販売先…茶専門店・小売店
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- 茶期…二番茶
- 摘採期間…6~7月
- 生葉/生産量
やぶきた/72.0t
つゆひかり/1034kg - 荒茶/製造量
やぶきた/10.3t
プーアール/3t
被覆茶/0.2t
つゆひかり/150kg - 荒茶の主な用途や販売先…茶専門店・小売店
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- 茶期…三番茶
- 摘採期間…8月
- 生葉/生産量
やぶきた、他/78.7t - 荒茶/製造量
やぶきた、他/14.2t - 荒茶の主な用途や販売先…加工業者・ほうじ茶
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- 茶期…四番茶(秋冬番)
- 摘採期間…10月
- 生葉/生産量
やぶきた、他/130.4t - 荒茶/製造量
やぶきた、他/31.1t - 荒茶の主な用途や販売先…ドリンク原料
H29年度実績